ワインで「ヌーボー」って、なんのことか知っていますか?
恐らく「ボジョレー・ヌーボー」などで聞いたことがあるかもしれませんね。
ただヌーボーも、実はボジョレーだけではなくて、世界で様々なものが造られているみたいです。
そこで今回は、ワインのヌーボーとは何かと、世界の様々なヌーボー、さらにヌーボーを美味しく飲むためのコツについても見ていきたいと思います。
ヌーボーとは?
本来「ヌーボー(Nouveau)」とは、フランス語で「新しい」という意味です。
ワインの場合は、「新酒」を表し、その年に収穫したブドウから造られたワインのことを指します。
ヌーボーは、収穫したばかりのブドウを使ったフレッシュでフルーティーな味わいが特徴です。
ヌーボーは「ボジョレー」産が有名
ワインの新酒として有名なのが、ヌーボーの中でもボジョレー産のものです。
ボジョレー(Beaujolais)は、フランスの地区の名前で、実は高級ワイン産地として有名なブルゴーニュ地方の中にあります。
ボジョレー・ヌーボーを名乗るためには、フランスのワイン法で厳格な取り決めがあり、その中で解禁日も11月の第3木曜日と定められています。
なぜ日本でこれほど有名?
ボジョレー・ヌーボーを世界で一番輸入している国は、実は日本です。
確かに、ボジョレー・ヌーボーには収穫祭のような意味合いもあり、文化として「初物」を尊ぶ日本にはとてもよく合ったワインではあります。
それにしても、なぜボジョレー・ヌーボーだけが、日本でこんなに飲まれているのでしょうか?
それは、1976〜80年代に起きたボジョレーブームがきっかけとなっています。
この時、ボジョレー・ヌーボーが初めて航空便で輸入が開始されるようになり、時期としても日本がバブル景気で高揚している時です。
また日本は、日付変更線の関係上、本国フランスよりも先に解禁日を迎えます。
当時は「日本は先進国の中で最も早くボジョレー・ヌーヴォーを味わえる国」というキャッチコピーの元、ボジョレー・ヌーボーは一大ブームを築きました。
また今年の出来を表したキャッチコピーも注目を集めました。
「過去最高と言われた05年に匹敵する50年に一度の出来」
「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄えで1995年以来の出来」
こんな言葉が、毎年ボジョレー・ヌーボーの解禁日の近くになると、目にすることが多くなりました。
解禁日になったと同時に空港に行って飲む人や、大々的にテレビで解禁を謳うなど大きな脚光を浴びましたが、バブル崩壊と共にブームは沈静化しました。
1990年代後半にバブル期を上回る規模でブームを起こしましたが、現在ではかなり落ち着いた状況となっているようです。
ボジョレー産以外にも世界各地で「ヌーボー」がある
また当然と言えば当然ですが、ボジョレー地方以外でも、フランスの各産地で「ヌーボー」は造られています。
例えば、マコネという地区の中には「マコン」のヌーボーがあり、
ここでは、ボジョレー・ヌーボーのように赤ワインばかりでなく、ロゼや白ワインのヌーボーも造られています。
さらに、フランス以外のワイン生産国でも、様々な新酒が造られています。
国によって「新酒」の呼び方が違うので、以下で見ていきましょう。
フランス以外の世界各地の新酒は?
新酒の解禁日は、それぞれワインが造られる国の法律で決められているので、ボジョレー・ヌーボーより早く解禁を迎える新酒もあります。
よく知られている世界各地の新酒を、以下で見ていきましょう。
ノヴェッロ(イタリア)
イタリアの新酒は「ヴィーノ・ノヴェッロ」、略して「ノヴェッロ(Novello)」と呼ばれます。
解禁日は、10月30日です。
ノヴェッロの特徴は、軽い飲み口のものからコクのあるものまで、様々な種類があることです。
なぜかというと、ノヴェッロはボジョレー・ヌーヴォーとは違って産地や品種が定められていないので、イタリア全土で様々なブドウ品種から造られています。
現地では、ノヴェッロに焼き栗を合わせるのが定番で、秋の風物詩の一つとされています。
ホイリゲ(オーストリア)
オーストラリアの、造られて1年未満の新酒のことを「ホイリゲ」と呼びます。
解禁日は、11月11日です。
オーストリアは元々白ワインの生産量が多い国であるため、ホイリゲも白ワインが一般的です。
現地では、ホイリゲはワイングラスではなく1/4リットルのジョッキで飲まれています。
ホイリゲに合わせて、チーズ、ハムやベーコンなどのシャルキュトリーなどを食べるようです。
山梨ヌーボー(日本)
実は日本でも新酒が造られており、その代表が山梨県の「山梨ヌーボー」です。
2008年に山梨県酒造組合によって解禁日が設けられ、それが11月3日です。
山梨ヌーボーのブドウ品種は、白ワインが甲州、赤ワインがマスカット・ベーリーAで、いずれも日本固有の品種です。
日本ワインの新酒は、山梨県以外やこれらのブドウ品種に関わらず造られているのですが、
解禁日が設定され、様々な造り手や組合が一体となった山梨ヌーボーが最も盛り上がっているようです。
フィラディスワインクラブ30ヌーボーをより美味しく飲むコツは?
ヌーボーは、どの国のものであっても出来立てのフレッシュな味わいが特徴です。
(以下の文では、「新酒」を総称して「ヌーボー」と表記します。)
この特徴を生かして、ヌーボーを美味しく飲むコツを少し見ていきたいと思います。
適温は何度?
まず、ヌーボーは何度くらいで飲むのがいいでしょうか?
赤ワインのヌーボーの場合で考えると、10~12℃くらいが適温だと思います。
白やロゼワインのヌーボーなら、7~9℃辺りがいいと思います。
赤ワインの適温はライトボディなら12~14℃、フルボディなら16~20℃なので、それらより少し低めの温度です。
ヌーボーはブドウを収穫してすぐ醸造・瓶詰めされて、樽熟成を行わないので、このくらいの温度の方がブドウのフレッシュさが際立ちます。
白やロゼの場合は、ヌーボーではないワインでも樽熟成をあまり行わないものが多いので、普通のスティルワインと同じくらいで楽しむといいでしょう。
どんな料理と合う?
ヌーボーは、収穫してすぐに醸造、瓶詰めされるので、樽熟成を行いません。
そのため、ヌーボーはブドウ本来のシンプルで軽やかな味わいなので、料理としても味わいが軽い方が合わせやすいです。
現地では、ハムやチーズ、加工肉などとと共に合わせるのが定番です。
ヌーボーは赤ワインでも渋みが少ないので、火を通した魚介料理や野菜を使った料理など、幅広く合わせることができるので、気軽に合わせてみてはいかがでしょうか?
ヌーボーを何ヶ月でも美味しく飲める「コラヴァン」の使用がオススメ
今回は、ワインのヌーボーとは何かと、世界の様々なヌーボー、さらにヌーボーを美味しく飲むためのコツについて見てきました。
ワインの「ヌーボー」=「新酒」のことで、その年に収穫したブドウから造られたワインのことですが、世界各地で様々なヌーボーが作られています。
採れたてのブドウの風味を味わいながら、ヌーボーを楽しく召し上がっていただければと思います。
ところで、ヌーボーに限らずワインは、一度栓を開けてしまうとすぐに風味が飛んでしまうので、早めに飲み切るのが常識ですが、
ワインシステム「コラヴァン」を使えば、栓を開けることなくワインを楽しむことができます。
「コラヴァン」とは、ボトルに取り付けて使うことで、コルク栓を抜かずにボトルの中のワインを注いで飲むことができる、特許テクノロジーを使用したアイテムです。
コラヴァンを使えば、栓を抜かなくてもワインが飲めるので、
コルクを折る心配だけでなく、ワインを酸化させる心配もせずにワインを飲むことができるので、ボトルのワインを数ヶ月または数年後でも開けたての状態のワインを飲むことができます。
コラヴァンは使い方が簡単ということもあり、飲みたいワインの酸化を気にせず楽しめるだけでなく、
熟成途中のワインの状態を飲んで確かめるといった、これまでできなかったワインの楽しみ方もできるので、世界のワイン愛好家からも注目されているアイテムです。
「コラヴァン」については、以下の記事で詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
開けたてのワインの味を数ヶ月後でも楽しめる道具、コラヴァンとは?
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