世界の様々な高級ワインを知り始めると、必ずと言っていいほど出てくる地名が、ナパバレーだと思います。
ナパバレーのワインって、なぜこれほどまでに高級ワイン産地として、知名度が高いのでしょうか?
そこで今回は、ナパバレーの特徴と、なぜ世界的にも有名な産地と言われるのか、
さらにナパバレーのワインの魅力と、主なワイン産地についても見ていきたいと思います。
ナパバレーの特徴について
まずは、ナパバレーについて、簡単に特徴を見ていきたいと思います。
ナパバレーがあるのは、アメリカ西海岸沿いのカリフォルニア州、その北部のノース・コーストという場所で、サンフランシスコから車で約1時間の距離にあります。
ナパバレーは、質が高くバリエーションに富んだワインを、安定的に生産するのに大変適した産地と言われています。
その理由は、ナパバレーにはブドウ栽培に理想的な気候、そして多様な土壌と変化に富んだ地形があることが挙げられます。
ブドウ栽培に理想的な気候
まず、ナパバレーの気候はブドウ栽培に理想的と言われています。
(このことは、ナパバレーだけではなくカリフォルニア州全体にも言えます。)
その気候は、夏は気温が高く乾燥している、一方の冬は夏に比べて雨が多く比較的温暖という、典型的な地中海性気候です。
つまり、ブドウの生育期である夏に雨が少ないことで、年ごとでのブドウの品質のばらつきや病害のリスクが抑えられます。
また、ナパバレーは海が近く、海から日常的に発生する霧の影響で、昼と夜の間に寒暖の差が生まれます。
昼夜の寒暖差があることで、ブドウの実は均一にゆっくりと健全に熟し、甘味と酸味のバランスが絶妙なブドウができます。
このような環境がブドウ栽培には最適で、そのためナパバレーでは毎年安定した量の品質が高いブドウを収穫することが可能です。
多様な土壌の種類
またナパバレーは、土壌の種類がとても豊富で、世界的にも最も多様な土壌に恵まれたワイン産地の一つとも言われています。
火山性土壌から海洋性土壌まで、ナパバレー内で実に30種以上の異なる土壌が存在し、隣り合う区画でも土壌が異なることが珍しくありません。
これはどういうことかと言うと、ブドウは自然から生まれる農産物なので、栽培される畑の土壌の違いによって、できるブドウの実に異なる個性が生み出されます。
またワインの味わいや香りといった特徴は、その原料であるブドウによって大きく左右されます。
つまりナパバレーでは、高品質なワインを造ることができる気候条件だけでなく、
異なる特徴を持つブドウをうまくブレンドしてワインを造る、または特に優れた区画のブドウのみを選りすぐってワインを造るといった、
様々な個性を持つワインを造り出すことができる土壌条件も兼ね備えています。
変化に富んだ地形
ナパバレーは実は起伏に富んだ地形で、
ブドウ畑は、海抜の低い川沿いの肥沃な谷床平地(ヴァレーフロア)から、丘陵地(ヒルサイド)や山脈の標高900メートルに迫る斜面にまで広がっています。
さらに、ナパバレーはその名の通り、東西を山脈、南は湾に囲まれた谷に囲まれています。
これらのナパバレー内でもその高低差、また畑がある斜面の向きや湾の影響など、畑がある位置によって様々なミクロクリマが存在するため、
そのミクロクリマの影響によっても、できるブドウに様々な個性が生まれます。
(※ミクロクリマ:「局地的な気候」のことで、その違いにより、小さい区画ごとでブドウの生育に影響を与えます。)
このように、ブドウの生育に理想的な気候条件だけでなく、ブドウ畑の土壌や場所によっても、様々な個性を持つワインが生まれるため、
ナパバレーは高品質でバリエーション豊かなワインが造られていると、言われています。
パリ発祥、国内No.1ワインスクールが運営するワインショップ「カーヴ・ド・ラ・マドレーヌ」ナパバレーが有名になった理由は?
ナパバレーが品質の高いワインが生まれやすい産地であるとはいえ、世界を見るとブドウにとって気候・土壌条件が優れた産地は他にも多くあります。
ではなぜ、ナパバレーがここまで世界的に有名なプレミアムワインの産地と言われるのでしょうか?
実は、そのきっかけとされる大きな出来事が2つあり、それが「パリスの審判」と呼ばれる1976年のパリ・テイスティングと、「90年代のカルトワインブーム」です。
パリスの審判
「パリスの審判」と呼ばれる1976年のパリ・テイスティングは、ワイン産地としてのナパバレーが世界に知れ渡るようになった大きな出来事とされています。
その1976年のテイスティングとは、フランスの大物ワイン専門家たちが、フランスのパリに集まり行った、ブラインド・テイスティングです。
そのブラインド・テイスティングでは、ナパバレーのワインの他に錚々たるフランスワインも並んでおり、誰もが「フランスワインが圧勝するだろう」と予想されていました。
ところがいざ蓋を開けてみると、無名のはずのナパバレーのワインが、赤白ワイン両部門で最高級のフランスワインを打ち破るという快挙を成し遂げ、世界中のワイン関係者に衝撃を与えました。
その時No.1に選ばれたワインは、白ワインでは「シャトー・モンテレーナ1973年」、赤ワインは「スタッグス・リープ・ワインセラーズ1973年」です。
アメリカ「タイム」誌の記者が、その衝撃的な出来事を有名なギリシャ神話の挿話になぞらえ「パリスの審判」という記事として、すぐさま発表しました。
ワイン関係者の間では「事件」とも呼ばれるこの結果は、「最高級ワインはフランスからしか生まれない、という神話を打ち崩した革命的な出来事である」と言われています。
ちなみに、このパリスの審判の後、1986年と2006年にもリベンジマッチが行われていますが、いずれもナパバレー、そしてカリフォルニアワインが優勝しています。
このパリスの審判以降、ナパバレーのワインは一躍世界の注目を集めることになります。
90年代のカルトワインブーム
もう一つ、ナパバレーがプレミアムワイン産地とされる理由に、1990年代に起きたカルトワインのブームがあります。
カルトワインとは?
「カルトワイン」とは、(用語の定義が曖昧ですが)一般的には「カリフォルニア、特にナパバレーを主体に生産されている高品質ワイン」とされています。
カルトワインと呼ばれるものは、単に高品質というのではダメで、以下のようないわゆる「超レア」なワインを指しています。
- 生産量が非常に少ない
- 特別な顧客にしか手に入れることができない
- 有名なワイン評論家たちから高い評価を何度も受けている
これはつまり、パリスの審判で一躍有名になった「シャトー・モンテレーナ」や「スタッグス・リープ・ワインセラーズ」のワインのように、
「今後高値で取引される可能性があるワインを、無名の今のうちに目をつけて入手しておこう。」という考えの人が多かったのでしょう。
それは、まるでそのワインの熱狂的信者がいるようである、という意味で「カルト」と名付けられたとされています。
また裕福な人々の中には、「どのカルトワインを所有しているか(ヴィンテージも含めて)」ということが、当時から今でもステータスの一部になっているようで、
カルトワインは味わうためではなく、投資目的という購入のされ方をされる一面もあるようです。
このような背景の中で、1990年代末に起きたこのワインブームで、カルトワインに金に糸目を付けずに買う人が続出したようです。
このブームの間に、ナパバレーのワイン価格が大きく上昇しました。
1990年代は定価100ドルを超えることが稀だったナパバレーの上級ワインの多くは、ブームの時にプレミアムワインとして100ドル超の価格で売り出されています。
なぜナパバレーのワインが高く評価された?
カルトワインは、ロバート・パーカーJr.氏などの有名なワイン評論家が、満点もしくはそれに近い得点を何度も獲得したことをキッカケに、
需要が高まることで価格が高騰したワインです。
ここで、「なぜナパバレーのワインが、有名なワイン評論家たちから高い評価を受けるのか?」といった疑問も浮かんでくるかもしれません。
その理由としては、ナパバレーのワインの味わいが(特に赤ワインで)ロバート・パーカーJr.氏が好む味わいであったためと言われています。
ロバート・パーカーJr.氏が注目するワインは、果実味やアルコール度数の強い濃厚な赤ワインが多かったのですが、当時その特徴を見事に表現していたのが、まさにナパバレーの赤ワインでした。
ちなみに、ロバート・パーカーJr.氏は2019年にワイン評論家を引退しており、カルトワインと呼ばれるワインは世界中で生み出されていますが、
現在においても、そのワインの多くはナパバレーから集中して生まれているのは、少なくともその味わいが他のワイン評論家たちからも高く評価されているからでしょう。
カルトワインとされるワインの銘柄は?
では、カルトワインと呼ばれるワインは、どういう銘柄でしょうか?
いくつか有名なものがあり、それらをまとめて「カリフォルニア5大カルトワイン」と呼ばれています。
一般的にカルトワインと言われると、このようなワインをイメージする人が多いようです。
カリフォルニア5大カルトワイン
- スクリーミング・イーグル
- ハーラン・エステート
- グレース・ファミリー
- ブライアント・ファミリー
- マヤ
さらにこれら以外にも、カルトワインの代表格とも言えるワインの中には「スタッグス・リーブ」、「マヤカマス」、「リッジ・ヴィンヤーズ」、「クロ・デュ・ヴァル」、「ハイツ」など、
先ほど説明したパリスの審判などのブラインド・テイスティングで、フランスに打ち勝ったワインたちも含まれています。
また、カルトワインは年々新しいものも増え続けています。
最近有名なカルトワインで言うと、例えば以下のようなものです。
- コルギン
- シュレーダー
- ハンドレッド・エーカー
- スケアクロウ
- シネクアノン
どれも評論家たちからの高い得点を何度も獲得して、生産数も非常に少ないため、購入するのは困難なワインばかりです。
ナパバレーのワインの魅力は?
このように、プレミアムワインが多く誕生する聖地として、ナパバレーは世界的にも名高いワイン産地と言われています。
カリフォルニアワインを代表する有名な「オーパス・ワン」も、ナパバレーで造られる赤ワインです。
しかしナパバレーのワイン生産量は意外と少なく、カリフォルニア全体の4%程度、
また大きなワイナリーは少なく、その大半は家族経営で、年間生産量が1万ケース未満のワイナリーが95%を占めています。
ナパバレーの主なブドウ品種としては、特にカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培が盛んで、ナパバレー内の栽培面積の約50%を占めており、できる赤ワインも世界的にも高い評価を得ています。
ナパバレーのワインの特徴は、(産地や品種ごとに味わいは異なりますが)温暖で穏やかな気候の影響で、一般的に濃厚で力強いフルボディ、華やかな香りと味わいがあります。
この特徴が、ワイン評論家だけでなく多くのワイン愛好家をも魅了しているようです。
その一方で、多様な土壌とミクロクリマのおかげで、シャルドネ、ピノ・ノワール、メルロ、ソーヴィニヨン・ブランといった品種からも、高品質なワインが造られています。
他にも様々なブドウ品種を栽培できるナパバレーの中では、
冷涼なカーネロスで栽培されるアルバリーニョから、温暖なカリストガで栽培されるジンファンデルまで 、実に35種類を超えるブドウ品種が栽培されています。
ちなみに、アルバリーニョはスペイン原産の白ブドウ品種です。
スペインワインについて、詳しくは以下の記事を参考にしてみて下さい。
コスパの高いスペインワイン、その魅力と特徴、オススメのワインも紹介
さらに進化を続けるナパバレーのワイン造り
またナパバレーでは、さらに品質を磨き上げたワインを造るために、革新的なブドウ栽培方法も積極的に取り入れています。
ナパバレーでは、伝統的な栽培方法と最先端技術の両方を採用して、ブドウが栽培されています。
例えば、ブドウ樹に必要な水が入手しにくい丘陵地の畑では、干ばつに強いブドウ樹を植えた上で、コンピューターを使ってブドウの樹一本一本をリアルタイムで監視しています。
一方で、大半のブドウ畑では手入れや収穫も手作業で行われており、栽培期間中に一本のブドウの樹あたり10回以上、人の手が入ることも珍しくありません。
そうして人間の手とテクノロジーを使用して実った高品質のブドウは、熟練のワイナリーの手によってワールドクラスのワインに変身します。
発酵も少量単位で行うなど細部にまで気を配り、さらに光センサー選果機などのハイテク機器も利用して最高のブドウだけを選んでワイン造りが行われています。
また、ワインを熟成させるオーク材の樽にも最高級のものを使い、ワインが持つ濃厚な果実味をより引き立ててます。
ナパバレーでも、ワイナリーは決して現状に甘んじることなく、他の酵母菌や発酵容器を試す、新しい機械を使う、別の樽会社のオーク樽を利用してみたりするなどして、
常に試行錯誤を繰り返しながら、さらなる品質向上を目指した努力を続けているようです。
アカデミー・デュ・ヴァンのワインショップナパバレー内の主なワイン産地
ナパバレー内には現在16のAVAがあり、南部のカーネロスが最も海からの影響が近く冷涼で、北へ向かうにしたがって気温は徐々に上昇していくのが特徴です。
特に有名なのが、セント・ヘレナからオーク・ノール・ディストリクトまで続くバレー中央部で、ここに歴史的なワイナリーやカルトワインの造り手が集中しています。
ナパバレー内の主なAVAについて、以下で地図と合わせて詳しく見ていきましょう。
AVAとは?
AVAとは「American Viticultural Areas」の略で、「アメリカ政府承認ブドウ栽培地域」を指す言葉です。
なぜAVAを認定するかというと、原産地の保護及び保証をするためで、要はその名前を使った粗悪品、つまり偽物が出回らないようにするためのものです。
また紛らわしいのですが、AVAは複合して指定されていることがあり、また指定地域の広いAVAはその中により小さなAVAが含まれています。
つまりナパバレーは全体もAVAが認定され、そのナパバレーAVAの中に、スタックス・リープ・ディストリクト、ハウエル・マウンテンなど、
さらに小さな16のAVAが認定されているということです。
逆に〈AVAノースコースト〉には、アレキサンダーバレー、ソノマバレーなどに加えて、ナパバレーもその中に含まれています。
注意したいのは、あくまでその地域が認定されているというだけで、
より狭い地域でのAVAの方が個性的で上質なワインという、いわゆる「格付け」があるわけではないということです。
カリストガ
カリストガは、ナパバレーで最も内陸に位置する地域で、山に囲まれて湾からも離れているために、冷却効果が弱く高温になりやすい環境です。
夏場は日中の最高気温が40度近くになることもある一方で、午後から夕方には太平洋側から涼しい風が吹き込み、6度まで落ち込みます。
そのため昼夜の気温差が大きく、ブドウ品種としてはカベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデル、メルロ、カベルネ・フラン、ソーヴィニヨン・ブランなどが栽培されています。
色が濃く、深い味わいの熟したリッチな赤ワインができます。
その一方、カリストガ内でも、高山から風が流れ込む北東部の峡谷などは、冷涼なミクロクリマが発生するため、ブドウはゆっくりと熟して酸が保たれエレガントなワインができます。
代表的生産者:シャトー・モンテレーナ
セント・ヘレナ
セント・ヘレナは、大きなワイナリーが多く、生産量の多いAVAです。
西側の山に守られ、霧や涼風の影響が薄れる温暖な気候で、また谷床の北部に位置し、細く狭まった地形のため、斜面からの熱の照り返しで非常に暑い産地です。
真夏の最高気温は、35~37℃に達することが多いです。
ブドウ品種としては、カベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデル、メルロ、プティ・シラー、ソーヴィニヨン・ブランなど幅広く栽培されています。
特にカベルネ・ソーヴィニヨンからは、アルコール度数が高く、凝縮感のあるリッチな味わいのワインが生まれる傾向にあります。
一方で、山脈によって保護されている西部側では、よりエレガントなスタイルのワインを造る生産者もいます。
代表的生産者:ダックホーン、ベリンジャー
ラザフォード
ラザフォードは、ナパバレーの最も幅広い部分に位置しているため、谷床にあるAVAの中で最も豊富な太陽の光を浴びることができ、適度に温暖な産地です。
夏の最高気温は通常34~35.5℃にもなりますが、夜は涼しく、日中と夜との気温差が激しい産地です。
特に「ラザフォード・ベンチ」と呼ばれる西側の段丘は、強い西日が当たらず、また海から吹き込む涼しい風の恩恵を受け、高品質なワインを生み出すことで知られています。
ブドウ品種としては、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ソーヴィニヨン・ブランなどが、主に栽培されています。
造られる赤ワインとしては、ソフトなタンニン分と凝縮した果実味をもつ味わいに仕上がります。
またラザフォード・ランチは、暑い日差しから守られ、品格のある印象のワインができるようです。
代表的生産者:イングルヌック、ケイマス・ヴァンヤーズ
オークヴィル
オークヴィルは、ナパバレーの中心に位置して、北部の暑さと、湾の霧や風による冷却効果の両方の影響を受ける産地です。
この気候がブドウにとって都合がよく、バランスが取れたワインを生み出す屈指の銘醸地と言われています。
真夏の気温は34~35.5℃まで上がる一方で、夜間と早朝には霧が発生するほど気温が下がり、この恩恵を受けて酸味がしっかりとのったブドウができます。
谷床にあるAVA(セント・ヘレナ、ラザフォード、オークヴィル)の中でも、カベルネ・ソーヴィニヨンを中心にブドウがよく熟する産地で、
できるワインも、エネルギッシュな力強さと上品さを兼ね備えます。
高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンが生み出されることで知られている産地ですが、他にもソーヴィニヨン・ブラン、メルロ、シャルドネ、カベルネ・フランが栽培されています。
産地内でもできるワインに違う個性が生まれ、午後の強い日差しが当たらない西側の丘陵地では、ワインはより内向的でミネラル感が豊富な傾向がある一方で、
午後の日差しを浴びている東側の丘陵地では、ホコリ、鉄、ドライフルーツのような要素をもつ赤ワインが生み出されます。
代表的生産者:オーパス・ワン、スクリーミング・イーグル、ハーラン・エステート
スタッグス・リープ・ディストリクト
スタッグス・リープ・ディストリクトは、湾に近い西向きの斜面、谷間の低い位置にあります。
適度に温暖な産地で、日中は太陽の照り返しによる放射熱がブドウを熟させて、一方で午後に湾から吹く涼しい風が、温められた空気を程よく冷ます役割を果たしています。
真夏の最高気温は34〜36℃で、37.7℃まで達することもあります。
主に栽培されるブドウ品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ソーヴィニヨン・ブランです。
スタッグス・リープ・ディストリクトは、内陸のAVAに比べてエレガントなワインが生み出され、
造られるワインは「ベルベットの手袋をはめた鉄拳 」とも例えられる、滑らかな口当たりでありながら、口に含んだ時に感じる強い酸味が感じられるという特徴があるようです。
代表的生産者:クロ・デュ・ヴァル、スタッグス・リープ・ワインセラーズ
ヨーントヴィル
ヨーントヴィルは、海からの涼しい風と霧の影響で、夏でも夜間はかなり涼しくなる、比較的涼しい産地です。
真夏の最高温度は33℃まで上がることもありますが、夜間が涼しくなるため一日の中での気温差が大きく、昼と夜で13℃にも及ぶ気温差があります。
栽培される主なブドウ品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランです。
この昼と夜の寒暖差の影響で、赤ワイン白ワイン共に、ナパバレーの中でもエレガントで複雑味のあるワインが生みだされています。
ラザフォードとオークヴィルを貫く「ベンチランド」と呼ばれる段丘が、ヨーントヴィルにも広がっており、
この段丘が、カベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に非常に適した地域と言われています。
代表的生産者:ドミナス
カーネロス
カーネロスは、その産地の半分は隣のソノマバレーに含まれ、ナパバレーの中で最も湾に近く冷涼な産地です。
太平洋からの冷たい風と、湾から発生する霧が多い気候で、特にピノ・ノワール、シャルドネそしてスパークリングワインの品質が高い生産地として、知られています。
シャルドネから造られる白ワインは、よりミネラル感を持つエレガントな味わいに仕上がり、ピノ・ノワールからできる赤ワインも酸味がしっかりしたエレガントな味わいが多いです。
一方で、ピノ・ノワールからは複雑味のある濃厚なタイプの赤ワインも造られ始めているようです。
代表的生産者:ドメーヌ・カーネロス
ナパバレーのワインを何ヶ月でも美味しく飲める「コラヴァン」の使用がオススメ
今回は、ナパバレーの特徴と、なぜ世界的にも有名な産地と言われるのか、そしてナパバレーのワインの魅力と、主なワイン産地についても見てきました。
見てきたようにナパバレーのワインは、プレミアムワインの代名詞の一つとして知られており、他の国や産地と比べても比較的に価格が高いワインが多いです。
ところで、ナパバレーのようなプレミアムワインでも、一度栓を開けてしまうとすぐに風味が飛んでしまうので、早めに飲み切るのが常識ですが、
ワインシステム「コラヴァン」を使えば、栓を開けることなくワインを楽しむことができます。
「コラヴァン」とは、ボトルに取り付けて使うことで、コルク栓を抜かずにボトルの中のワインを注いで飲むことができる、特許テクノロジーを使用したアイテムです。
コラヴァンを使えば、栓を抜かなくてもワインが飲めるので、
コルクを折る心配だけでなく、ワインを酸化させる心配もせずにワインを飲むことができるので、ボトルのワインを数ヶ月または数年後でも開けたての状態のワインを飲むことができます。
コラヴァンは使い方が簡単ということもあり、飲みたいワインの酸化を気にせず楽しめるだけでなく、
熟成途中のワインの状態を飲んで確かめるといった、これまでできなかったワインの楽しみ方もできるので、世界のワイン愛好家からも注目されているアイテムです。
「コラヴァン」については、以下の記事で詳しく説明していますので、参考にしてみてください。
開けたてのワインの味を数ヶ月後でも楽しめる道具、コラヴァンとは?
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