ワインの飲み方が変わる?!コルクを抜かずにワインが飲める道具「コラヴァン」とは?

ワインの酸化を防ぐ「コラヴァン」

栓を開けたワインは、酸化が急激に進むので、なるべく早く飲み切るのが常識ですね。

ただ最近流行のアイテム「コラヴァン」を使えば、コルク栓を開けずにワインを注ぐことができるので、

同じワインが、数ヶ月後あるいは数年後でも、開けたてと同じ状態で楽しむことができます。

今回は、そんな不思議なアイテム「コラヴァン」とはどういうものか、詳しく見ていきたいと思います。

コラヴァン(Coravin)とは?

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コラヴァン(Coravin)
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コラヴァン(コラヴァン・システム)は、特許テクノロジーを使用したアイテムで、

コルク栓に刺した細い針からワインを抽出することで、栓を抜かずにボトルの中のワインを注ぐことができるものです。

2013年にアメリカで開発され、日本でも2017年から正式販売された、ごく最近のアイテムで、

コラヴァンを使えば、ワインを酸化させることなく、ボトルのワインを数ヶ月または数年後でも開けたての状態で楽しむことができます。

コラヴァンの仕組み

(出典:ワイン・アクセサリーズ・クリエイション)

コラヴァンは、「ニードル」と呼ばれる細長い針をコルク栓に刺して、そのニードルの中の空洞を通してワインを注ぎ出す仕組みになっています。

コルク栓を抜かないので、ボトルの中のワインが外の空気に触れることはありません。

また、ワインを注ぎ出すと同時に、ボトル内に「アルゴンガス」という気体が注入されので、ボトルの中でもワインと酸素の接触を防ぎます。

ニードルを抜くと、コルク栓は伸縮作用によって穴が塞がるので、ボトル内に外の空気が入り続けることはありません。

コルク栓を開けずにワインが飲めるようにできるコラヴァンは、

「この35年間で最も画期的な発明」(ロバート・パーカーJr.氏談。世界的に有名なワイン評論家)と称賛されるように、世界のワイン愛好家から高い支持を得ています。

アルゴンガスとは?

コラヴァンに使われる「アルゴンガス」とは、空気中にも含まれる無味無臭の気体で、

不活性度(酸素や他の物質と反応しない性質)が高く、比重も酸素より重いという性質があります。

コラヴァンでワインを注ぐと、同時にアルゴンガスがボトル内に注入される仕組みになっており、

注入されたアルゴンガスは、ボトル内のわずかな酸素より下に溜まり、ワインと反応することなく、ワインのすぐ上に留まることになります。

このボトル内のアルゴンガスが、ワインと酸素を隔てるフタの役割を果たし、ワインが酸素との接触を避けることができるので、

ボトル内でもワインの性質を変えることなく、酸化防止に高い効果を発揮しています。

アルゴンガスは、欧米ではもともとワインの酸化防止のために使われていましたが、

日本でも2022年1月に食品衛生法が改正され、すべてのお酒に使用することができるようになりました。

コラヴァンを使った新たなワインの楽しみ方

ではコラヴァンで、コルク栓を抜かずにワインを注げるようになることで、どのようなワインの楽しみ方ができるでしょうか?

具体的な提案として、メーカーサイトでは以下のような紹介があります。

自宅で妻と一緒に特別なワインを1杯だけ飲みたいときに、これを使って残りのワインを保存しています。ワインが好きで、格別な1杯を楽しみたい人に最適な、信頼のおける製品です。とても気に入っています。

引用元:CORAVIN

バーに行くような感覚で誰かの家に遊びに行けたらと思います。セラーやカウンター、ワイン用の冷蔵庫に、あらゆる価格帯のいろんなフレーバーとテクスチャーのワインが並んでいたらいいですよね。

引用元:CORAVIN

つまりコラヴァンを使うことで、

  • 特別なワインを1杯だけ注いで、後日同じワインを飲む
  • 色々なワインを少しずつ飲み比べる

といった楽しみ方が、家でも気軽にできるようになります。

例えばですが、家族や大切な方のために大事にセラーに取っておいたワインを一杯だけ味見する、

家で、産地やブドウ品種比較で様々なワインを飲み比べる、

特別なゲストのために、秘蔵のワインを一杯ずつ注いで楽しんでもらうといった、今までできなかったワインの飲み方ができるようになります。

他にも、コラヴァンを使って様々なワインの楽しみ方が考えられると思うので、

この「開けたての状態を保ったままワインが楽しめる」というコラヴァンを使いこなして、ぜひあなたにメリットのある使い方を実践して頂ければと思います。

コラヴァンには3つのシリーズがある

そんな画期的なアイテム「コラヴァン」には、以下のように3つのシリーズがあります。

  • コラヴァン・タイムレス:コラヴァンの一般的なシリーズ
  • コラヴァン・ピボット:天然コルク以外でも使用可能
  • コラヴァン・スパークリング:スパークリングワイン専用のコラヴァン

記事内のこれまでの説明は「コラヴァン・タイムレス」シリーズについてのもので、

タイムレスシリーズは天然コルク栓のワインにしか使用できないという欠点もあるため、それを補う形でピボット、スパークリングシリーズも開発されました。

シリーズごとの特徴を、簡単に整理したいと思います。

コラヴァン・タイムレス

「コラヴァン・タイムレス」は、コラヴァンのメインシリーズで、コルク栓を抜かずにワインを注ぎ出せることで、ワインの開けたての状態を長く保つことができます。

タイムレスは、これまでに何度かリニューアルされており、

2024年3月現在でメーカーから発売されているモデルは、「3」「6」そして「11」の3種類です。

特に最新のモデル「11」は、シリーズ初のiOSに対応したモデルで、

iPhoneのアプリをBluetoothでコラヴァンと接続することにより、抽出レベルを調整したり、ニードルのクリーニング情報やガスの残量なども確認することができます。

一方の「3」「6」はスタンダードなタイプで、「6」の方が新しいモデルでマイナーチェンジはされていますが、機能性は同じです。

(「6」の方が本体カラーが選べて、便利な付属品もセットでついてきます。)

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タイムレスは、使えるワインの栓の種類を選ぶので、その点には注意が必要です。

  • 天然コルク栓のスティルワインに使用可能
  • スクリューキャップには専用のキャップが必要(セットによっては付属品でついてきます)
  • 樹脂や人工コルク栓のワインには使用不可(栓が伸縮しないので穴が塞がらない)
  • スパークリングワインには使用不可

この制限を補う形で、別シリーズとして、コラヴァンはピボットとスパークリングが発売されています。

コラヴァン・ピボット

「コラヴァン・ピボット」は、コルク栓以外の樹脂コルクやスクリューキャップも含めた、全てのスティルワインで使うことができるシリーズです。

ピボットは、タイムレスとは少し使い方が異なり、ワインの栓を専用のピボットストッパーに付け替えることで、全てのスティルワインに使用することができます。

ピボットストッパーをつけた後の使い方は、タイムレスと同じ使い方で、

ワインを注ぐ時に、ボトル内にアルゴンガスが自動的に注入されることで、ワインの酸化を抑制できます。

ピボットの注意点としては、ストッパーを取り付ける時に、一度ワインを開封しないといけないため、酸化抑制期間が最大4週間と短めになっていること、

スパークリングワインには使用できないことです。

ただピボットは価格もタイムレスよりお手頃なので、より気軽にコラヴァンを使ってみたい方に、特におすすめしたいシリーズです。

コラヴァン・スパークリング

泡立ちとフレーバーがおしゃれなシャンパーニュやスパークリングワインこそ、開けたらすぐに飲み切らないといけないのが悩みの種ですが、

専用の「コラヴァン・スパークリング」を使えば、シャンパーニュやスパークリングワインも、開けたての状態を保つことができます。

「コラヴァン・スパークリング」は、ワインの泡と同じ成分の二酸化炭素をボトルに充填する仕組みで、

開けたてと同じスパークリングワインの泡立ちとフレーバーを、最大4週間まで維持できます。

例えば、週末にフルートグラス1杯の高級シャンパーニュを開けて、翌週末に同じワインを飲むという新しいシャンパーニュの楽しみ方もできます。

専用のスパークリングストッパーは、通常サイズの750mlだけでなく、ハーフボトルやマグナムボトルまで様々なサイズのボトルに使用できるよう調整が可能です。

二酸化炭素を充填する専用のCO2カプセルは、1本で750mlボトル最大7本分を保存することができます。

シャンパーニュやスパークリングワインを飲む機会が多い方に、特におすすめです。

ちなみに、コラヴァンのシリーズ・モデル別のより詳しい説明については、以下の記事が参考になると思います。

買うならどのコラヴァンがいい?シリーズ・モデル別の比較とオススメを紹介

コラヴァンの使い方

コラヴァンは、その使い方に特別な力やテクニックは必要なく、誰でも簡単に使うことができます。

タイムレスシリーズの使い方を簡単に紹介すると、以下の通りです。

  • 本体のニードル(針)をコルクに差し込む
  • ボトルを傾けてワインを注ぐ
  • ボトルを立てるとワインの抽出が止まる
  • ニードルをコルク栓から引き抜く

以上で終わりです。

ニードルを引き抜いた後のコルク栓の穴は、コルクの伸縮作用で時間を置くと塞がります。

ワインのボトルはそのままセラーで保管すれば、数ヶ月は状態が大きく変わることはないようです。

コラヴァンでワインを注ぐと同時に、ボトル内にはアルゴンガスが注入されているので、ワインと酸素の接触を防いで酸化の進行を防止してくれます。

ちなみに、より詳しいコラヴァンの使い方と使用上の注意点については、以下の記事を参考にして頂ければと思います。

コルクを抜かずワインを注ぐ「コラヴァン」使い方を画像付きで紹介、使用上の注意点も

また、コラヴァンを使う中でのデメリットと、それを踏まえた上でよりオススメのコラヴァンの使い方についても、以下の記事で詳しく考察しています。

コラヴァンを使う上でデメリットと不便な点、それを踏まえたオススメの使い方を紹介

酸化を防いでワインを注げる「コラヴァン」で新たな楽しみを

今回は、コラヴァンがどういうものかについて見てきました。

コラヴァン(コラヴァン・システム)は、酸化させることなくボトルからワインを注げるアイテムのことで、

コラヴァンを使うことで色々と新しいワインの楽しみ方ができると、世界中から注目されています。

コラヴァンにはいくつかのシリーズがあるので、あなたのシチュエーションに合ったシリーズを選んでみるといいと思います。

ワインの楽しみ方が大きく広がるコラヴァン、うまく活用してみてくださいね。

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