コルクを抜かずワインを注ぐ「コラヴァン」使い方を画像付きで紹介、使用上の注意点も

ワインの酸化を防ぐ「コラヴァン」

コルクを抜かずにワインを注ぐことができる、不思議なアイテム「コラヴァン」、

今回は、使い方の手順と注意点を見ていきたいと思います。

「使い方は簡単」とよく言われるコラヴァンですが、確かに実際使ってみると力もテクニックも不要で、どなたでもすぐ使えるようになると思います。

また実際使ってみていくつか注意点も分かってきましたので、コラヴァンを既に使っている方、またはこれから購入しようか考えている方の参考になればと思います。

コラヴァンとは?

「コラヴァン」とは、コルク栓を抜かずにワインを注ぐことができる「コラヴァン・システム」というアイテムのことで、

ボトルのコルク栓に細いニードル(針)を刺し、そのニードルを通してボトルからワインを注ぐという画期的なワインの飲み方ができます。

コラヴァンでコルク栓を抜かずにワインが注げるので、ワインを酸化させることなく、ボトルのワインを数ヶ月後でも開けたての状態で楽しむことができます。

コラヴァンの詳しい説明とその仕組みについては、以下の記事を参考にして頂ければと思います。

ワインの飲み方が変わる?!コルクを抜かずにワインが飲める道具「コラヴァン」とは?

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コラヴァン各部位の名前と機能

使い方を説明する時に、コラヴァン各部位の名前が出てくるので、以下の図で一度整理したいと思います。

ちなみに、今回は私が使っているタイムレスシリーズの「3+」をもとに紹介したいと思いますが、タイムレスのシリーズは、どのモデルでもほぼ同じ部位と役割になっています。

(最新モデル「11」だけは少しだけ違うようですが)

  1. ハンドル:持ち手の部分
  2. トリガー:ワインの抽出を操作するハンドル
  3. 注ぎ口:ワインが注ぎ出る部分
  4. SmartClamps:コラヴァンをボトルネックに固定する役割
  5. ニードル(針):コルクに差しこんで、この中を通してワインを注ぐ
  6. カプセルカップ:中にアルゴンガスのカプセルをセットする部分

ちなみに、コラヴァンは電動式ではないので、電源や電池も不要です。

コラヴァンを使ったワインの注ぎ方

コラヴァンを使ってワインを注ぐ時は、キャップシールをカットしたり、コルク栓を抜くこともないので、

シールカッターやワインオープナーは必要なく、あなたが選んだワインとワイングラスだけ準備すればOKです。

コラヴァンの装着からワインを注ぐまでの手順は、以下の通りとなります。

  • コラヴァンをワインボトルに装着する
  • ニードルをコルク栓に差し込む
  • ボトルを傾けてトリガーを操作しながらワインを注ぐ
  • ニードルを引き抜いてコラヴァンをボトルから外す

文字で説明すると工程が多く感じますが、一つ一つの動作はシンプルです。

コラヴァンをワインボトルに装着する

コラヴァンをワインボトルに装着するために、以下の2つの工程を行います。

  • SmartClampを下げる
  • SmartClampをワインボトルのネックに被せる

つまり、以下の画像のようになります。

ニードルをコルク栓に差し込む

この状態から、ハンドルを真下にスッと押し下げるだけで、ニードルがコルク栓に差し込まれます。

差し込む時には、それほど力は要りません。

ハンドルをしっかり押し下げて、コラヴァンの装着は完了です。

ボトルを傾けてトリガーを操作しながらワインを注ぐ

コラヴァンは電動式ではないので、ワインを注ぐ時も、通常と同じようにボトルを持ち上げてワインを注ぎます。

ただ、ボトルを傾けるだけではワインは注げないので、この時トリガーを一瞬だけクリックするように押し下げします。

つまり片手でワインボトルを持ち、もう片方の手でトリガーを操作しながらハンドルを握る形でワインを注ぎます。

トリガーを押した時にニードルの先からアルゴンガスが抽出され、離した時にニードルの細い穴を通してワインが注がれる仕組みで、

トリガーを素早く押し離しすることでワインを注ぎ、飲みたい分が抽出されるまでこの動作を繰り返します。

抽出途中でワインを注ぐのを止めたい場合は、ボトルを立てることでワインの抽出が止まります。

ボトル内のワインはアルゴンガスで酸素との接触を防ぐ

ワインが注がれると、ワインボトルの中には目減りした分の空気が入り込みますが、注ぐと同時にボトル内に注入されたアルゴンガスによって、ワインは酸素との接触を免れます。

アルゴンガスの特性として、 空気より比重が高く空気の下に溜まりやすいこと、不活性度(他の物質と反応しない性質)が高いことがあるので、

ボトル内に注入されたアルゴンガスは、ボトル内でワインのすぐ上で蓋のように留まり、ワインと酸素との接触を防ぐ役目を果たします。

コルクを抜かないので、ボトル内のワインが多くの酸素と接触しない、

さらにボトル内でも、アルゴンガスで酸素を遮断することで、ボトル内のワインは急激な酸化を避けて保管できる、

だからワインを何ヶ月でも開けたての状態で楽しむことができる、

これこそがコラヴァンの大きな特徴です。

ニードルを引き抜いてコラヴァンをボトルから取り外す

ワインを飲んだ後は、ニードルを引き抜いてコラヴァンをボトルから取り外します。

ニードルの抜き方も簡単で、片手でボトルを、もう片方の手でハンドル部分を持ち、ハンドルを真上にスッと引き上げるだけです。

ニードルを抜いた後のコルク栓の穴は、コルクの伸縮作用ですぐに塞がるので、コルクの穴から空気が入り込むことはありません。

コラヴァンは天然コルク栓以外にも使用可能?

ここまで使い方を紹介した「コラヴァン・タイムレス」シリーズは、天然コルク栓のスティルワインには使用できないため、どうしても使うシーンが限られてきますが、

専用アクセサリーや、別シリーズのコラヴァンを用意することで、様々なワインの種類・栓の種類にも対応することができるようになりました。

シリーズごとでコラヴァンが使用できるワインの種類、栓の種類をまとめると、以下の通りです。

  • コラヴァン・タイムレス:天然コルク栓、スクリューキャップ(※)のスティルワインに使用可能
  • コラヴァン・ピボット:全てのスティルワインに使用可能
  • コラヴァン・スパークリング:全てのスパークリングワインに使用可能

(※スクリューキャップにコラヴァン・タイムレスを使用するためには、専用スクリューキャップが必要)

このように、コラヴァンのシリーズにはメインの「タイムレス」以外に、「ピボット」「スパークリング」もあり、

どのシリーズも基本機能はワインを開けたての状態に保つことですが、シリーズによって使えるワインや使い方が少し違ってきます。

コラヴァンのシリーズや各モデルのより細かい特徴は、以下の記事が参考になると思います。

買うならどのコラヴァンがいい?シリーズ・モデル別の比較とオススメを紹介

スクリューキャップにも専用のキャップがあれば使える

最近増えているスクリューキャップにコラヴァンが使えるかについて、少し補足すると、

タイムレスシリーズにも、「コラヴァンスクリューキャップ」という専用のキャップを用意すれば使うことができます。

タイムレスシリーズのセットを購入する時、「コラヴァンスクリューキャップ」が付いているものがあるので、それを選ぶといいと思います。

別売りで購入することも可能なので、必要になってから用意することもできます。

ワインのスクリューキャップをこの「コラヴァンスクリューキャップ」に付け替えれば、コラヴァンはコルク栓のワインと同じ使い方ができます。

コラヴァンスクリューキャップを使った後は、水洗いすれば再利用でき、最大で50回使用できます。

使用上の注意点として、コラヴァンスクリューキャップに付け替えると、コルク栓のワインより酸化を防げる期間が短くな

ワインの酸化を防げる期間は、最長でも3ヶ月間になります。

ただ3ヶ月間あれば、特別なワインを何年も大事に取っておきたいという人を除いて、ワインを日常的に楽しむためには十分な期間ではあると思います。

コラヴァンを使う時の注意点は?

ここからは再び、メインシリーズの「コラヴァン・タイムレス」を元にして話を進めます。

酸化を防いでワインが注げるコラヴァンは、操作が簡単で気軽に使えるのも大きな魅力ですが、

より酸化防止効果を高めるため、そしてコラヴァンをより長くお使い頂くために、いくつか注意した方がいい点があるので、以下で整理します。

使用後は毎回水洗いが必要

コラヴァンは、毎回使った後になるべく早く水洗いした方がいいです。

注いだワインが本体内に残っていると、ワインが固まってシステムが故障する可能性があり、

もし故障しなくても、残ったワインから雑菌が発生すると、注ぐ時にボトル内に入り込んでワインが劣化する可能性が高いからです。

念入りに水洗いしたいのが、注ぎ口とニードルの部分で、

特にニードルは、コルク栓に差し込んでボトル内のワインが直接触れる部分なので、もしワインを長い期間保存したい場合は、念入りにクリーニングや消毒を行うといいと思います。

クリーニングといってもそれほど大変な作業ではなく、使った後はすぐに注ぎ口、SmartClamps、ニードルを温水などで洗い流して、柔らかい布で水気を拭き取り、乾かすだけです。

またワインの飲み比べをする時など、一度コラヴァンを使うと、ワインが注ぎ口やニードルの中に残っているので、

別のワインに使う前に、本体はきれいに水洗いしてワインを除いた後、水気もきれいに拭き取ってから使う必要があります。

ワインを注ぐのに少し慣れがいる

コラヴァンを使う時は、ニードルの細い穴を通して注ぎ口からワインを注ぎますが、この注ぎ方に少し慣れが必要というユーザーの声もあります。

まずは注ぐ時の持ち方で、

片手でワインボトルを持ち、もう片方の手でトリガーを操作しながらハンドルを握る形が、持ちにくくて見栄えもよくない、という声が上がります。

また、恐らくワインを注ぐ時にボトルをきちんと持ち上げなかったことが原因と思われますが、使ったらニードルが曲がってしまった、いうレビューもあるようです。

次に、注ぐのに時間がかかる点で、

コラヴァンを使うと、ワインが抽出される量が少しずつになるので、ワインを適量注ぐまでに少し時間がかかります。

私の感覚としては、グラス1杯分の120mlワインを注ぎ切るまでに、だいたい30秒くらいかかります。

普通にワインを注ぐときはだいたい5秒程度なので、コラヴァンを使い慣れるまでは少しもどかしく感じるかもしれません。

酸化・劣化を抑えられる期間は状況によって変わる

コラヴァンで一番気になる点は、コラヴァンを使えばどのくらいの期間ワインの酸化が防止できるかですが、

この点についてはメーカー側も明示できないようで、確かにコラヴァンを使ったとしても様々な状況によって酸化を防止できる期間は変わります。

貴重なボトルを飲むのに、もう特別な機会を待たなくて済みます。今日はグラス一杯だけ飲み、もう一杯は1週間後、1ヶ月後、あるいは数年後でも大丈夫です。最後の一杯が最初の一杯と全く同じ美味しさになります。

引用元:CORAVIN

メーカーのホームページでは以上のように記載がありますが、

恐らく数年後でもワインの状態をキープするためには、最低でも以下の条件が必要と思われます。

  • ワインは長期熟成可能なフルボディでヴィンテージの若い赤
  • ワインもコルク栓も健全
  • ニードルを丁寧にクリーニング・消毒してから使用
  • コラヴァンは少量のみしか使っていない
  • ワインは理想的な環境で保管

つまり、この条件に一つでも当てはまらない場合(現実的にその場合がほとんどだと思いますが)は、ワインの状態をキープできる期間は短くなると思われます。

では現実的に、コラヴァンを使うとどのくらいの期間ワインの状態をキープできるかについては、今後より詳しく検証していきたいと思いますが、

他のユーザーのレビューを拝見する限り、(使用したワインによって大きく差がありますが)数週間〜数ヶ月程度と思われます。

使い方と注意点を理解して「コラヴァン」でワインを楽しもう

今回は、コラヴァンの使い方手順と注意点を紹介してきました。

コラヴァンの酸化防止効果を発揮するために、いくつか注意点はありますが、

実際に使ってみると力やテクニックも必要なく手軽に使えて、その効果もすぐに実感できると思います。

コラヴァンを使えば、1本のワインをゆっくり時間をかけて飲む、料理に合わせて様々なワインをグラスで飲み比べるなど、これまでできなかったワインの楽しみ方もできるようになります。

そんな面白いコラヴァン、まだ使ったことがなければ、是非とも一度使ってみてください。

またよろしければ、コラヴァンの効果を実証した記事もあるので、参考にしてみてください。

「コラヴァン」は低価格ワインでも効果発揮、何日間ワインが美味しく飲めるか検証

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