残したワインもおいしく飲み続ける方法は?開封後のワイン、正しい保存法を詳しく解説

ワインの知識・用語

ワインを開封した後の保存方法をどうすればいいか、開けてから何日が賞味期限か、気になったことはありませんか?

「一度開封したワインは、その日のうちに飲み切らないといけない」ということはなく、正しく保管すれば、開封後も数日間はおいしいワインを飲むことができます。

開封するとワインに起きる変化

実は、ワインには「腐る」ものではないので、たとえ開封したワインであっても、賞味期限はありません。

その点では心配ないのですが、開封したワインにどのような変化が起こるのか、少し詳しく見ていきたいと思います。

急激な酸化→劣化

ワインは、瓶の中に入っている状態では、ほとんど酸素に触れない、もしくは酸素が失われた「還元」状態になっています。

しかし、栓を開けることで、ワインは空気中に含まれる大量の酸素に触れ、急激に「酸化」が進みます。

ワインは、酸化によって、含まれる成分が化学反応を起こし別の成分に変化します。

瓶の中で、還元(もしくはそれに近い状態)にあったワインは、急激に酸化を始め、

最初は赤ワインの渋みがまろやかになる、より香りが開いた印象を受けるという、私たちにとって好ましい変化が現れますが、

この酸化がさらに進むと、ワインの香りや風味がさらに変化して、おいしいとは感じなくなります。

この、ワインが化学変化しておいしいと感じられなくなる状態が「劣化」と呼ばれています。

ワインは、酸化による劣化が進むことで、具体的には以下のような香りと味わいの印象を受けると思います。

  • しおれた花のような香りになる
  • フルーツの風味が減る
  • 酸味、渋みが際立つ
  • 全体のバランスが崩れたように感じる

開封後のワイン、正しい保存方法

ワインは、開封した時点から急激な酸化が進むため、酸化による劣化を完全に防ぐことはできませんが、

開封後のワインを正しく保存することで、劣化のスピードを抑えられるので、より長い期間おいしい状態のワインを飲むことができます。

  • 冷蔵庫で保存する
  • 小さな容器に移して保存する
  • 真空ポンプを使う
  • アルゴンガスを使う

冷蔵庫で保存する

開封後のワインは、温度が低いところで保管すると、風味をある程度は保ってくれます。

(ワインの温度が低いほど、酸素の吸収量は抑制されるそうです。ただ冷凍すると、これもまたワインが化学変化を起こしてしまうので、氷点下ではNGです。)

手軽なのは冷蔵庫で、栓をしたワインをドアポケットに立てて保管すれば、ワインが漏れる心配もありません。

ただ理想を言えば、ワインの保管はワインセラーが最適な温度ではあります。

普段からワインを楽しまれる方なら、10000円程度で買える、家庭用の小型ワインセラーを1台持っておくと重宝します。

開封したワインの状態をある程度保つ上に、未開封のワインもセラーに入れておけば、飲みたい時に理想の温度でおいしいワインが飲むことができるからです。

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小さな瓶に移し替える

手軽で効果的な方法としては、残った量がちょうど入るくらいの小さな瓶にワインを移し替えるというものもあります。

ワインと酸素が触れる面積を小さくすることで、劣化のスピードを抑えることができるからです。

小さな瓶は、100円ショップやネットショップなどで、手軽に買うことができます。

真空ポンプを使う

「ワインストッパー」「バキュバン」とも呼ばれる真空ポンプを使った、開封後のワイン保存方法は、レストランやワインバーでもよく使われます。

これは、専用のポンプとゴム栓を使って、開封したワインボトルから空気を抜くことができるアイテムで、

ワインボトル内の空気を真空状態にすることで、ワインの酸化を抑えることができます。

アルゴンガスを使う

ワイン保存用のアイテム「アルゴンガス」は、効果が高く、特に高級ワインを開封した時の保管に使われることが多いです。

「アルゴンガス」は、ワインや他の物質とも化学反応を起こさないアルゴンという気体を、ワインの保管に利用したものです。

(※アルゴンのように、他の物質と化学反応を起こさない気体のことを「不活性ガス」と呼びます。)

アルゴンは、空気中にも含まれる無味・無臭・無色の気体ですが、比重が空気より重く、酸素や空気よりも下に溜まりやすいという性質があります。

ワイン保存用の「アルゴンガス」は、この性質を生かして、

ワインボトルの中に高濃度のアルゴンを注入して、ワインの液体のすぐ上に不活性ガスを溜めることで、酸素がワインに触れるのを防ぐことができます。

ワイン保存用の「アルゴンガス」は、スプレータイプで発売されていて、

使い方も簡単で、ストローを取り付けボトル内にスプレーして、コルクやキャップでボトルに栓をするだけで、高いワインの酸化防止効果を発揮します。

スプレー1本分で、通常750mlのワインボトルで150回くらいの利用が可能です。

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開封後のワインがおいしく飲める期間

開封後のワインも、正しく保存できれば、数日間はおいしく飲むことができますが、

開封したワインの酸化は避けることはできず、やがて劣化して風味が落ちてしまいます。

開封後のワインが美味しく飲める期間としては、実はワインの種類によって多少異なり、目安としては以下の通りです。

  • スパークリングワイン:1〜2日以内
  • 白ワイン:2〜3日以内
  • フルボディの白ワイン:2〜3日以内
  • ロゼワイン:2〜3日以内
  • 赤ワイン:3〜5日以内
  • 高級な赤ワイン:7日以内

どんなワインでも一度開封したら、あまり長く保存させることは考えず、

できるだけ早い内に飲み切ってしまう方が、おいしいワインを楽しめることには変わりがないと思います。

開封しないでワインが飲めるアイテム「コラヴァン」

ワインは一度開封してしまうと、酸化の進行による風味の変化を避けることはできません。

しかし、画期的なワインシステム「コラヴァン」を使用することで、開封しなくてもワインを飲むことができるようになりました。

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「コラヴァン」とは、ボトルに取り付けて使うことで、コルク栓を抜かずにボトルの中のワインを注いで飲むことができる、特許テクノロジーを使用したアイテムです。

コラヴァンを使えば開封せずにワインが飲めるので、ワインを酸化させることなく、数ヶ月または数年後でも開けたての状態でワインを飲むことができます。

コラヴァンを使えば、例えば熟成途中のワインを一度テイスティングして、ワインの状態を確認するなど、

これまでできなかったワインの楽しみ方もできるので、世界のワイン愛好家からも注目されているアイテムです。

「コラヴァン」については、以下の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。

ワインの飲み方が変わる?!コルクを抜かずにワインが飲める道具「コラヴァン」とは?

コルクを抜かずワインを注ぐ「コラヴァン」使い方を画像付きで紹介、使用上の注意点も

買うならどのコラヴァンがいい?シリーズ・モデル別の比較とオススメを紹介

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