ワインで有名な国は?その理由と特徴を紹介

ワインの知識・用語

ワインは世界中で造られているので、ワインで有名な国はどこなのか分かりにくいかもしれませんね。

そこで今回は、ワインで有名な国について説明していきたいと思います。

ワインで有名な国は「ワインベルト」に集まる

ワインで有名な国は、「ワインベルト」と呼ばれる場所に集中しています。

「ワインベルト」とは、緯度帯で見たブドウ栽培やワインの醸造に適した地域のことで、北半球と南半球で以下の緯度帯を指しています。

  • 北半球:北緯30度〜50度
  • 南半球:南緯20度〜40度

世界地図で見ると分かりやすく、以下の緑色内にある国・地域が、ブドウ栽培に適しているとされています。

(出典:エノテカ)

なぜワインで有名な国がワインベルトに集まっているかというと、ブドウ栽培に適した気候がこの範囲内にあるからです。

ブドウ栽培に適した気候には、以下の条件を満たしている地域とされていて、それがちょうどワインベルトの緯度帯に集中しています。

  • 年間平均気温:10〜20℃
  • ブドウ樹の発芽から成熟に必要な日照時間:1000〜1500時間
  • 年間降水量:500〜900mm

実際の所、ワインベルト内に位置するワインで有名な国は、ブドウの収穫量・ワインの生産量とも世界のトップクラスで、品質の高いワインを多く造り出しています。

ワインで有名な国

ではここから、ワインで有名な国とその理由を順番に見ていきたいと思います。

フランス

ワインで有名な国と言えば、今も昔もまず挙げられるのがフランスです。

ワインの年間生産量・品質ともに世界トップクラスで、質の高いワインが数多く生み出されています。

その上で、フランスワインがここまでの名声を獲得できた理由として、

ワイン造りにおいて昔から突出した技術を発明・実践してきたこと、厳しい法律を設けて伝統的なワイン産地と高い品質を守り続けてきたこと、

そして優れたマーケティングで、世界に先駆けてワインビジネスを確立したことが挙げられます。

フランスで培われたワイン造りの手法、産地を守る制度システム、販売マーケティングは、世界中からワイン造りの模範とされ、

現在世界中で活躍するワイン生産者も、フランスのワイン造りを基本としています。

フランスワインで特に有名な産地とワインは、

ボルドー地方の赤ワイン、ブルゴーニュ地方のワイン、そしてシャンパーニュ地方のシャンパーニュ(スパークリングワイン)です。

これらのワインは、卓越したワイン造りと共に、中世以降は覇権国家イギリスの富裕層やパリの宮廷文化の中で愛飲され、

「フランスワイン=高級なワイン」というイメージ造りに成功しました。

フランスワインで有名なブドウ品種には、黒ブドウにはカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラー、ピノ・ノワールなど、

白ブドウでは、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングといったものがあり、

質の高いワインを生み出すブドウ品種として、今では世界各国で栽培されています。

(これらの世界中で栽培されるブドウ品種をまとめて、「国際品種」と呼びます。)

イタリア

イタリアはブドウ栽培に適した地域が多く、フランスと並んで世界トップクラスのワインの生産量を造り出しています。

平均的にブドウの質が高く、コストパフォーマンスに優れたワインを多数生み出しています。

イタリアワインの味わいの特徴としては、フルーツの風味が豊かで、安価なテーブルワインでも美味しいものが多いです。

イタリアでは土地ごとに環境が異なる20州全てでワインが造られており、各州で土地や文化の個性を活かしたワインを飲むことができるのが、イタリアワインの魅力です。

イタリアでは、その地域でしか栽培することができない固有のブドウ品種(「地場品種」と言います)が非常に多く、

その地場品種から、他の国はもちろん、イタリア国内でも他の地域にはない魅力を持つワインが多数生み出されています。

イタリアでは、赤・白・スパークリング・甘口など様々なタイプのワインが造られ、ワインだけでもそのバリエーションが豊かで楽しいのが特徴ですが、

そのワインを、各地の郷土料理と共に合わせることで、さらに個性と美味しさが引き立つので、

イタリアを旅行するときには、その土地で造られたワインと郷土料理を是非味わっていただければと思います。

ドイツ

ドイツは、昔から質の高い白ワインを生み出す国として知られています。

特に有名なのが、「リースリング」というブドウ品種を使った白ワインで、豊かなアロマと酸味・ミネラル感があり、凛とした印象の味わいに仕上がります。

またリースリングからは、フレッシュで華やかな風味の辛口ワインから、芳醇な甘口ワインまで様々なスタイルで品質の高いワインが造られます。

また、高級赤ワイン用の黒ブドウを栽培するには、ドイツはこれまでやや気候が冷涼でしたが、

皮肉にも、最近の温暖化によってドイツの平均気温も上がり、質の高いピノ・ノワール種が造られ始めたことで、赤ワインが有名になりつつある国でもあります。

スペイン

スペインは、ブドウ栽培に適した産地の中ではやや温暖で日照量も多いため、完熟した質のいいブドウがたくさん収穫できる利点があります。

テーブルワインの価格帯でも美味しいワインを見つけるには、事欠かないワイン産地です。

スペインワイン味わいの特徴としては、全体的にブドウの凝縮感があり、コクのあるワインに仕上がりやすいです。

有名なのはまずは赤ワインで、特に「テンプラニーリョ」という、スペイン独自の地場品種から造られる赤ワインです。

コクと酸味をしっかりと感じる味わいで、飲みごたえのあるワインに仕上がる傾向にあります。

また最近は、スペインのスパークリングワイン「カヴァ」が、そのコストパフォーマンスの高さから有名になっています。

フランスのシャンパーニュと同じ手間暇かかる製法で造られ、高い品質で価格がとてもお手頃なスパークリングワインとのことで、いまや世界中でその名を知られています。

ちなみに、スペインワインもかなり奥が深く、さらに詳しい内容は以下の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。

コスパの高いスペインワイン、その魅力と特徴、オススメのワインも紹介

チリ

ヨーロッパ以外のワインで有名な国といえば、チリが思い浮かびます。

チリのワインは、安くて美味しいワインの宝庫として有名です。

チリワインはそのコストパフォーマンスの高さで、日本へ輸入される海外ワインの輸入量ではフランスを越えて堂々の第1位です。

ワイン専門店ばかりでなく、スーパーやコンビニなど身近なワイン売場の中でもほぼ必ず見つけられるほど、チリワインは私たちの生活の中に溶け込んでいます。

チリワインで特に人気が高いのが、「チリカベ」とも呼ばれるカベルネ・ソーヴィニヨン種を使った赤ワインで、

カシスやブラックベリーなど黒いフルーツを想わせる凝縮感のある果実味で、しっかりとした味わいに仕上がっています。

他にもブドウ品種では、赤ワインではメルロー、シラーなど、白ワインにはシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなど、

フランスワインと同じ「国際品種」が使われ、香り豊かで飲み口のしっかりとしたワインをお手頃価格で生み出しています。

アメリカ

アメリカのワインはチリとは異なり、プレミアムワインの産地として世界的に有名になりました。

アメリカのワインは、西海岸沿いのカリフォルニア州を中心に発展してきました。

カリフォルニア州はもともとブドウ栽培に最適な気候で、生産性と品質が高いワイン造りを行うことができましたが、

カリフォルニアワインが有名になったきっかけは、「パリスの審判」という事件です。

1976年に余興として行われた、フランスの大物ワイン専門家たちが集まって行われたブラインドテイスティングにおいて、

誰も勝つとは予想していなかった当時無名のカリフォルニアワインが、赤白ワイン両部門で最高級のフランスワインを打ち破るという快挙を成し遂げました。

この出来事を、アメリカ「タイム」誌の記者が有名なギリシャ神話の挿話になぞらえて「パリスの審判」という記事をすぐさま発表し、

「質の高いワインはフランスからのみ生まれる」といった定説を覆し、「フランス以外のワイン産地でも優れたワインを造ることはできる」という新たな説が証明されました。

このパリスの審判以降、カリフォルニア州を中心にアメリカワインの知名度が急速に上がり、ワイン産業も発達していきます。

アメリカではブドウ品種としては、赤ワイン用ではカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、さらにオレゴン州など涼しい産地ではピノ・ノワールが有名で、

白ワイン用ではシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランや、ワシントン州のリースリングなどから、質の高いワインが生み出されています。

アメリカのワインは、一般的にはブドウ本来の味がはっきりと感じ、樽熟成による風味もしっかりと感じるフルボディの味わいが特徴です。

ちなみに、カリフォルニア州の中でも特にワイン生産として有名なのはナパ・ヴァレー(Napa Valley)ですが、

ナパ・ヴァレーについては、以下の記事で詳しく説明していますので参考にしてみてください。

高級なワイン産地と言われる理由は?ナパバレーの特徴と魅力を解説

オーストラリア

オーストラリアでのワイン造りは、歴史がまだ200年余りとまだ歴史が浅いにも関わらず、国を挙げてワイン造りと海外輸出に力を入れてきた経緯があり、

現在では、オーストラリアは世界有数のワイン生産国になっています。

オーストラリアワインの魅力は、高品質でありながら価格もお手軽なものが多いこともありますが、

さらに、ほとんどのオーストラリアワインに使われているスクリューキャップが流行して、これによってよりワインをカジュアルに楽しめるようになったと言えます。

ワインに使われるスクリューキャップは気密性に優れ、液漏れすることなくワインの保存ができるだけでなく、ワインの熟成も可能、

さらに飲みかけでも気軽に栓ができ、ワインオープナー不要で抜栓もできるので、気軽に持ち運べてアウトドアでもワインが楽しまれるようになりました。

オーストラリアワインのブドウ品種としては、赤ワイン用ではカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワール、

白ワインではシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどの国際品種が使われますが、

特にその品質の高さで有名なのが、フランスのシラー(オーストラリアでは「シラーズ」と呼ばれます)いうブドウ品種を使った赤ワインです。

シラーズを使ったオーストラリアワインの特徴は、ブドウの凝縮感があり、アルコール度数も高めの仕上がるフルボディの味わいで、

香りに粒コショウを潰したようなスパイシーなニュアンスもあります。

シラーズを使った赤ワインは、オージービーフなど質の高い肉料理との相性が抜群です。

ワインスクールで知識と仲間も増やせば、もっとワインは楽しい

今回は、ワインで有名な国について、ざっと見ていきました。

よりワインを知りたい、知識を増やしたいという方は、ワインスクールで勉強しながらワインをテイスティングして、五感を使って習得することがオススメです。

ワインスクールと聞くと、ソムリエやワインのプロが勉強しに来る場所というイメージで、気が引けてしまうかもしれませんが、

実は生徒のほとんどは、あなたと同じようにワインの知識に自信がない、もしくは楽しくワインの勉強がしたいという方です。

ワインは一人で飲んだり独学で勉強するよりも、

全体を理解しているプロから分かりやすく教わる、また得た知識をテイスティングを通して感覚としても捉える、

そしてワイン好きな仲間と同じワインを飲んで話し合うことで、より楽しく効率的にワインの知識を身につけることができます。

そんなワインスクールの中でも「アカデミー・デュ・ヴァン」は、ワインの本場パリ発祥、日本で約40年の歴史を誇りその名をよく知られたワインスクールです。

そして講師も信頼のおけるプロが、あなたが楽しくワインの勉強を続けていけるよう、明るい雰囲気のさまざまな講座を用意しています。

「アカデミー・デュ・ヴァン」には、初級者向けのワイン講座無料体験会が用意されているので、実際にワインスクールや講座の雰囲気を一度体験してみるといいと思います。

本物のワインの世界を少し垣間見るだけでも、あなたのワインに対する世界観が大きく変わること請け合いです。

ワインを楽しく勉強して、あなたのお気に入りのワインと共に、より楽しい時間が過ごせるといいですね。

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